第二生化マニュアル目次
A.測定準備
1.solvent;HPLC grade のものを使い必ず脱気する。(気泡でカラムを傷める原因になります。tailing を起こす。圧が上昇するなど)
2. 機械の電源を入れる。(本体真ん中一番上の機械と、その下のサンプルクーラーの電源を入れた後にパソコン電源を入れること)そうすると、MS-Windows
3.1が立ち上がり、そこで動く<CLASS-LC10>windowが現れます。このwindowは6つのアイコンからできています。
<環境設定>DPにてdata処理のディレクトリの指定はここでします。いまのままでよければこのままにしておいてください。LC
にてオートインジェクタを使用するかどうか選んで下さい。
<分析><サンプルスケジュール>は普段の分析に使うので、後で説明します。
<SPD-MXA分析>はsolvent を流しながら、PhotoDiode分析をする部分でこの機械にはついていないので動かせません。
<ポストラン>は分析終了後にデータを修正する部分です。
<ユーティリティ>はファイルの移動に使います。フロッピーに落とすのもここになります。
3.<分析>windowをダブルクリックして、立ち上げる。立ち上げた最初のmethodは、前回たちあげたmethodのままになっています。変更したい場合は「メソッドファイル」メニューの<新規作成>を選択します。新規作成したいメソッドのファイル名を入力します。<メソッド設定>より各LCパラメータ設定window
で必要な数値を入力して下さい。<送液ユニット>で二つの流量の変更、<検出器 Ch1,Ch2>で波長を決めることができます。<データ処理メニュー>の<CRT表示>にて吸光度軸のスケールを変えることができます。一通り開いてmethod
を作成して下さい。
4.metodが出来上がったら、<運転>をクリックしてsolventを流し始める。その後の流量や圧力などの情報は<LCモニタ>をクリックすれば画面上に表示されます。なお、HPLCを2ー3日使っていなかった時は、まず始めにair抜きのために、LC10-AD(送液ユニット)のドレーンバーを開けてから、<運転>をクリックしてsolventを2-5分空流しをする。終わればドレーンバーを閉じて圧があがるのを確認する。さらに30分から1時間ほどsolventを流し、baselineを安定させる。
B.測定
オートインジェクタを使用する場合
1.始めにwindowを開いた段階で環境設定のLC1でオートインジェクタを使用する状態にする。
2.測定準備の分析windowの段階で、検体1個目のmethodを選択し、運転をクリックし、空流しの状態にする。1回ぐらい<パージ>をクリックし、シリンジのair抜きもすると良いでしょう。
3.<分析> window はいったん閉じるかアイコン化し、<サンプルスケジュール>windowを開きscheduleを作成する。
・方法1 <ファイル>より<新規作成>を選択し、<パラメータ編集>を開きサンプルスケジュールの1行分を作成or変更、これで1行1行つくる。
・方法2<ファイル>より<追加作成>を選択し、ビン番号を指定するとサンプル名、サンプルID、データファイル名1、データファイル名2(2波長の時にはそれぞれdata名が必要なため、1、2が必要です。)の各パラメータに番号を1から順に付けてくれるので多数の検体を扱うときいちいち作らなくて済んで便利です。内標量、希釈率、バックグラウンド名は空白のままで構いませんが、他は全部埋めて下さい。ビン番号はラックの場所の意味で0からあるので注意して下さい。たとえば5検体ある時はビン番号を0-4と指定すると良いでしょう。
くれぐれもデータファイル名に重複がないようにして下さい。上書きされてしまいます。
4.サンプルスケジュールが出来上がったら実行をクリックして下さい。そしてサンプルスケジュールに名前を付けて保存するとstartします。実行してしまうと変更は利かないので注意して下さい。たとえば後3検体付け足したいなんて時もそのスケジュールが終了するまでできません。どうしてもというなら中止してサンプルスケジュールを作りなおし、1行目のスケジュールから再実行することになります。<割り込み分析>の機能もありますが、やってみたら凍ってどうしようも成らなくなったので使わない方がよいでしょう。サンプルスケジュールを実行したら、サンプルスケジュールwindowをアイコン化して<分析>をダブルクリックすると分析状況がわかります。一つ分析が終わる毎ににレポートがでてきます。
またsolventを無駄にしたくない方にはサンプルスケジュールの最後の行にビン番号に-1をいれ、(-1を設定すると実際にinjectionを行わず、methodを開始できる)methodをStop
Metにしておくと、最後に自動的に、流量を止めてUVlampをoffにしてくれます。設定を変えていて、今までのstop.metで効かない場合は、新たに自分で作って下さい。(UV
lump off,流量offというようにメソッド設定で作成)
注意;検体数が増えてくると「伝送エラー、再起動して下さい」のメッセージが頻繁にでることがあります。一回LC-10のシステムを終了して再度開くと再開します。windowsまで終了する必要はありません。LC-10のシステムを終了しても測定は続けられているので心配はいりません。しかしまれにdataが1つ消えて、番号がずれてしまうことがあります。その時はレポートに印刷されている分析開始時間を信用して下さい。消えたdataは諦めざるを得ません。
オートインジェクタを使用しない場合
1.環境設定LC1でオートインジェクタ使用しないにする。
2.<分析>windowでmethodを選択もしくは作成し、空流しを開始。
3.レバーを上に持ち上げる。専用のシリンジに検体を吸入し針を拭いてからさしこみ注入。レバーを下げれば自動的に測定開始されます。分析中止をクリックすれば分析を終了し、レポートがでてきます。
C.ファイル管理
<ポストラン>でファイルからデータファイルを読み込むとクロマトグラフの処理および、スケールの変更ができます。再印刷もできます。細かい波形処理についてはマニュアルを参照して下さい。
<ユーティリティ>で<ファイル管理>をダブルクリックすると、現在のディレクトリのファイルが表示されます。これをクリック選択し違うディレクトリに移動、削除、複写が可能です。同様の処理はwindows
の<ファイルマネージャー>でも実行することができますが、本システムに関連したファイル操作が必要なときはかならずこのwindowを使って下さい。assay終了後は自分のフロッピーまたは、ハードディスクの自分のディレクトリにデータとメソッドを移しておいて下さい。
自分のディレクトリをハードディスク内に作るにはwindowsの<ファイルマネージャー>でa:(ハードディスクのドライブ)を選択した状態で、ファイルからディレクトリ作成を選択し、名前を付けて作って下さい。そして、複写や、移動時の異動先に、A:\xxxxと入力してください。
↑ ↑
ドライブ名 ディレクトリ名
フロッピーに落とすにはB:と入力して下さい(上部のフロッピーディスクドライブの場合)。2波長でassayをし、全部同じメソッドを使った場合、フロッピー1枚にだいたい50検体分のデータが入りました。
移動処理では、methodも移動してしまうため、分析に使っているディレクトリからmethodを呼び出せなくなってしまうことになります。methodは最初必ず自分で違う名前で保存しておいて下さい。(ファイルをいったん移動させたいディレクトリに複写した後に、元のディレクトリのmethod以外を削除する方法もあります。)
最後に
MS-Windowsの386 enhance mode上で動いているので、原則的にはマルチタスク環境となっているはずですが、assay中に同時にMS-Word,Excel,一太郎などの他のソフトを動かすと暴走するのでなるべくassay中には動かさないこと。もし同時に他のソフトを動かして暴走したときは、すぐパソコン(98)だけの電源を切り再び電源を入れ直せばそのままLC-10の動作は続いておりその間のデータも保存されているはずではあります。
*solvent変更時
流路の洗浄
1.移動相流路の洗浄
移動相リザーバの内容を蒸留水または脱イオン水に変更します。ポンプを作動させ、完全に水に置き換わるまで送液する。移動送リザーバの内容をメタノールに変え、全流路をメタノールで置換します。
2.サンプリング流路の洗浄
洗浄液ビンの内容を蒸留水または脱イオン水に変更し、2-3回purge操作をする。洗浄液ビンの内容をメタノールに変更し、もう1回purge操作をする。
*その他わからないことがあったり、故障時
東京島津科学サービス株式会社
第一サービス部第1課(クロマトグラフ課)tel 03-5820-3271 FAX 03-3864-0191
海藤さん他
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