PAF・WEB2086結合実験法(石井功)
第二生化マニュアル目次
1. Materials
・Tyroad Solution with 10 mM HEPES-NaOH(pH7.4)
・BSA(和光一級でよい)
・[3H-acetyl]PAF C-16 or [3H-alkyl]PAF C-18
・[3H]WEB2086
・WEB2086 (for non-specific binding)
・1% (w/v) Triton X-100
2. Assay steps(12 well dishの場合)
Cells on 12 well dish
↓
Wash the cells twice with 25℃-prewarmed 1.25 ml of Wash Buffer
(Tyroad Solution with 10 mM HEPES-NaOH containing 0.1% BSA)
↓
Add 500 μl of the binding Buffer (25℃-prewarmed Wash buffer containing
[3H-acetyl]PAF or [3H-alkyl]PAF, [3H]WEB2086 in the presence or
absence of 10 μM WEB2086)
↓
Incubate 1 hour at 25℃
↓
Wash the cells twice with 25℃-prewarmed 1.25 ml of Wash Buffer
↓
Solubilize the cells completely in 250μl of 1% Triton X-100 with
shaking the dishes
↓
Count the radioactivity of the cell lysate
3. Points
・現在入手可能なPAFのラベル体は、[3H-acetyl]PAF C-16と [3H-alkyl]PAF C-18である。[3H-acetyl]PAFを用いるメリットは、1)C-18に比べてC-16の結合活性の方が高いこと、2)PAF
Acetylhydrolaseにより分解されてlysoPAFとなって細胞に取り込まれる場合もその放射活性が測定に入らないことである。一般的に、分解されてPAF濃度が下がることより、取り込まれてカウントされることによるデータの問題の方がはるかに大きい。逆にデメリットは比活性が[3H-alkyl]PAF
C-18に比べてかなり低いことである。各自の実験に合わせて、適当な方を選択する。
・モルモットPAF受容体発現CHO細胞の場合、PAF C-16のKd値は2〜3 nM、WEB2086のKd値は3〜10 nMである。Scatchard
Plotをかく場合には、[3H-acetyl]PAF C-16は0.3〜8 nM、[3H]WEB2086は1〜50 nMの濃度でふるとよい。PAF
C-16はおそらく10 nM以上の濃度でミセルを形成して細胞に取り込まれるために結合は飽和しないので、濃度をあまりあげるべきではない。従って、non-spe測定時も、coldのWEB2086を用いる。
・浮遊細胞でやる場合や膜画分でやる場合も、最後のWashがフィルトレーションになるだけで基本的に同じ操作である。
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