第二生化マニュアル目次
Phage DNAの回収・精製には、液体培地を用いる方法と、ここに記したプレート・ライセート法がある。プレート・ライセート法は手数がかかるのが欠点だが、確実で失敗が少ない方法である。最終段階のPhOH/Chl抽出とエタノール沈殿の回数は数を決めてやるよりも、界面、沈殿の様子を見て適宜判断するのがよい。消化する制限酵素によって必要とされる精製度も違ってきます。
1.用意するもの
2.手順
培養
トップアガーには必ずアガロースを用いる。アガーには阻害物質が含まれているらしく、回収したDNAの制限酵素での消化が悪くなる。
15 cm × 9 cm 角プレートにファージを感染させた大腸菌を播き、一晩培養して全面溶菌させる。プレートは新しいものを使い、湿度を高く保つため、ぬらしたキムタオルとともに袋に入れ、正立させて培養するのがよい。
ファージ粒子回収
- プレートにdiluent 12 mlをはり、クロロホルムを数滴たらして、室温90min. 震盪し、得られるファージ懸濁液を50 mlチューブに移す。
- プレートにdiluent 4mlを入れ、洗いこんで懸濁液に合わせる。
- 4℃、10,000 × g、10 min. 遠心し、デブリスを除く。(上清を新しいチューブに移す)
- RNase 10 μg, DNaseI 10 μg 加え、37 ℃, 10 min. 反応させて大腸菌由来の核酸を分解させる。
- PEG液を15 ml加え、2時間放置する(on ice)。
- 4℃、10,000 × g、10 min. 遠心し、上清を完全に除く。
- 沈殿を1 ml diluentに懸濁し、エッペンチューブに移す。
- 4℃、12,000rpm、10 min. 遠心し不溶物を除く。
- 上清を15 mlチューブに移し、RNase 2 μg 加え、室温10 min. 放置。
ファージ粒子破壊
0.5 M EDTA 50μl, 10 % SDS 30 μl 加え、65 ℃, 25 min. 放置。
ファージDNA回収
参考:遺伝子工学の基礎技術 pp.45-48 (バイオマニュアルシリーズ、羊土社)
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