第二生化マニュアル目次
マクロファージの細胞傷害作用を担うエフェクター分子としては、TNF、IL-1、活性酸素、プロテアーゼなどの研究が知られていますが、1990年頃には、NOの重要性を指摘するのが流行りました。たしか、molecule of the year に輝きあそばれたはずです。マクロファージは、かなり強力なNO合成酵素(i-NOS)により、アルギニンからNOを合成します。さて、NOは水溶液中では非常に短命であるため、その酸化物である亜硝酸イオンの濃度を測定するのが、マクロファージ研究者の一般的ならわしであります。なほ、血管内皮細胞や神経細胞から放出されるNO濃度は微量であるため、本法での測定では困難が予想されます。
試薬
Griess 試薬(1%sulfanilamide(sigma), 0.1% naphthylethylenediamine dihydrochloride, 2.5% phosphoric acid)
亜硝酸ナトリウム(100mMくらい)
方法
(1)96well plate にマクロファージ(1〜10x104 cells/well)をまく(100μl)。
(2)サンプルをくわえる(100μl)。
(3)培養する。(16hr)
(4)上清100μl 回収する。
(5)Griess 試薬100μl と混合する。
(6)まつほどに赤くなる。(10分くらい。)
(7)OD550nmを測定する。
*ポシコンとして、0、5,10,20〜100μMの亜硝酸ナトリウム溶液を用いる。
**参考でーた!
細胞:RAW246.7 (3x104 cells/well)の場合
Nitrate(μM) Control Y-24180(1μM) medium only 2.1±0.2 2.5±0.5 with LPS (100ng/ml) 15.1±1.4 14.3±0.7 with PAF (100nM) 2.0±0.5 2.5±0.8