5年前より、弘前大学医学部脳研究施設(その後、脳神経血管病態研究施設と改組) 遺伝子工学部門(細胞工学と改称)の客員教授を兼任していたが、今年が最後の年と なった。客員といっても、実際は年に一度訪れ、セミナーをしたり、学生講義をした り、あるいは細胞工学部門で研究を続ける方々との討論などで勘弁して頂いていた。 弘前大学は、青森全体から南北海道までの広い範囲で臨床をカバーし、数少ない教員 と医師で、臨床と研究を続けている。(受験産業の指導もあり、100名の医学生の 多くが都会出身であり、卒業後残る医員の数は2−3割と言う)。しかし、ここでは 遠藤学部長(現学長)の指導のもと、厳しい自己評価と外部評価を続け、研究施設を 維持してきた。実際、PAFアセチルヒドロラーゼ欠損はここの佐藤教授のグループの 集団検診で見つかったし、4部門が個性的で独創的な研究が地味に進めている。私に とっては、過疎地域での研究や医療実情を実感する良いチャンスだったし、また、雪 の岩木山や紅葉の十和田八甲田、そして夏のねぷたなどを楽しませくれた5年であっ た。独法化後もこの様な個性的な地方大学が発展することを心から願っている。
弘前駅付近からの岩木山 |
< 脳研究施設細胞工学部門教授室 |
< 脳研の松永教授(右)、佐藤教授(左) |
雪の弘前城公園、桜の頃の賑わいは大変なものと想像できる |