July 11, 2002 収穫の大きかった米国訪問
6月23日より約2週間米国を訪問した。まず、New JerseyのAventis Pharma研究所を訪ねて(写真1)、脂質メディエーターに関する共同研究の進め方について議論した。orphan GPCRの数は200近いが、既に米国の大企業ではそれぞれの発現臓器や病態での変化などに関して調べ終わっており、リガンドが必ずしも決まらずとも創薬のターゲットとして進めるというのが印象的であった。ついで、ボストンを訪れ、MGH Eastでセミナーを行った。会場は立ち見の人も含めて多数の聴衆がいて、質問も非常に活発だった。かつての共同研究者の伊藤さんや麻酔科の市瀬博士、旧友のCharles Serhanと楽しい会食をした(写真2)。Genetic Institute (現、Wyeth Company)を訪れセミナーをすると共にcPLA2に関する共同研究を相談してきた。そして、主要な目的のFASEB meeting(ホスホリパーゼ)の会場であるアリゾナ州 Tuscon(地元ではチュザンと発音)へ向かった。学会ではsPLA2 type Vのノックアウト(表現型はまだ未解析)、また脂質分子の可視化の報告など面白かった。ちなみに、この砂漠(写真3, 4)地帯では、気温40度、湿度6%という記録を示していた。山火事が起こり、消す術もなくあっという間に関東平野ぐらいが燃えつきたとの事であった。この山火事で避難を余儀なくされた人の総数が400名というのも改めてアメリカの大きさをしる機会となった。疲労したが、実りの大きな旅行だった。
追伸:アリゾナを旅行する人への注意。Phoenix, Tusconの両都市は夏時間を取らない都市なので要注意。
写真1 Robert Lewis博士(Aventis Pharma)。彼はハーバードのAusten labo
の出 身でロイコトリエンの発見者の一人である。 |
写真2 ハーバードでのセミナー後の夕食。左からJoh(小児麻酔にNOを初めて使った人)、Serhan(ご存じ、リポキシン)、伊藤伸子(現、Clifford研)、清水、市瀬 (MGH麻酔科)、有田(東大薬学出身)、Ken Bloch(市瀬博士のボス) |
写真3 FASEB会場のOmni Resort Golf and Spa |
写真4 Desert Museumからのアリゾナ砂漠
back