July 03, 2003 リゾリン脂質のFASEB学会にのりこむ
リゾリン脂質のFASEB学会にのりこむ(2003.7.3)
コロラド州のSnowmassでFASEB Summer conference on lysophospholipids and related
bioactive lipids in biology and diseaseが開催された。LPAやスフィンゴシン1リ
ン酸などの脂質メディエーターの代謝、受容体、シグナル伝達と臨床応用に関する学会で、
150人程度が参加し、なかなか盛況であった。LPAの研究は「PSP24事件」以来スト
ップしていたのだが、大学院生の野口と石井助手の執念の研究で新規のLPA 受容体(
Lpa4, p2y9/GPR23)を発見したために、急遽参加を決め、3名で乗り込むこととなった。
学会では、徳村先生(徳島大薬、78年にLPAとその機能を初めて発見)とW.
Moolenaar博士(The Netherlands Cancer Institute、LPAが神経突起を退縮すること、こ
の過程に低分子量GタンパクのRhoが関与することを発見)の二人が「先駆的業績」とい
うことで表彰を受けたのが印象的だった。徳村先生はその後も、LPAの合成経路に重要な
リゾホスホリパーゼDを精製し、これがガン細胞の遊走作用を持つオートタキシンと同じ
であることを見いだしたなど大きな業績を上げている(写真1)。学会の詳細な報告は別
にゆずるとして、石井のFASEBでの初めての口演(写真2)も反響を呼んだし、また、野
口の発表が、 J. Biol. Chem.のPoster Award(事実上のYoung Investigator Award)をえ
るなど成果は十分にあった(写真3)。清水はのんびりとした5日間を送り、毎日午後は
矢冨裕博士(東大病院、臨床検査医学)とテニスを楽しみ(写真4)、また、一日は
Jerold Chunのドライブでアスペンの町やロッキーの山並みに触れ、大変ご機嫌な毎日で
した(写真5、6)。
写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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写真5
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写真6
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